
ChatGPTだから、どこまで正確なのかは分からない。
でも、一般的な精神科医が一生のうちに関わる統合失調症の患者数は、「200人〜400人程度」ではないかと推測されるらしい。
200人〜400人。
これを多いと思うか、少ないと思うかは人それぞれだと思う。
ただ、僕はこの数字を見て、ちょっと面白いことに気づいた。
統合失調症当事者のLINEグループ「すきゾ!」には、現在300人ほどの仲間がいる。
つまりグループに参加するだけで、精神科医が一生かけて出会うかもしれない人数と、ほぼ同じくらいの統合失調症当事者とつながっていることになる。
もちろん、人数を比べたからといって、僕のほうが精神科医より偉いという話ではない。
そもそも僕は医者ではない。
薬の処方箋も書けないし、診断書も書けない。
書けるのは、せいぜいLINEの拙い文章くらいである。
ある精神科医は、「精神科医が出来るのは書類を書くことだけ」と自虐的に話していた。
僕の主治医も以前、若い研修医に、「基本的に精神科医は、生活リズムや考え方のアドバイスぐらいしか出来ない」と話していた。
精神科医という、とても専門性の高い仕事なのに、本人たちがそんなことを言ってしまうところが、精神科という世界の難しさなのだと思う。
一方で、当事者同士なら話せることがある。
「それ、僕もあったよ」
「その薬、最初はそんな感じだった」
「そういうときは、僕はこうしてる」
そんな話が、専門書には載っていない生々しさで飛び交う。
もちろん、当事者の経験がそのまま他の人にも当てはまるわけではない。
それでも、自分と似た経験をした人がいるというだけで、救われることはある。
すきゾ!が始まったのは2015年。
最初から300人いたわけではない。
長い時間をかけて少しずつ人が増えて、今では300人ほどになった。
そして人数が増えただけではなく、グループそのものが少しずつ成熟してきた。
自分と相性の合う人を見つけて、その人からアドバイスをもらう。
「この人の話なら聞いてみよう」と思える相手がいる。
これは、ピアサポートグループとしては、かなり大きなことなのではないかと思う。
管理人である僕が、300人全員を支える必要もない。
というより、そんなことをしたら僕が先に倒れる。
人間300人分の人生を一人で背負えるほど、僕の肩は広くない。
それぞれが、それぞれに合う誰かとつながっていく。
その中で助けてもらったり、今度は自分が誰かを助けたりする。
そうやって循環していく。
すきゾ!で、劇的に症状が回復した人も少なくない。
もちろん、すきゾ!だけが回復の理由ではないし、医療や薬物療法を否定するつもりもない。
ただ、「同じ病気を経験している人とつながる」ということが、人間にとって思っている以上に大きな力を持っていることは、11年続けてきた僕には実感として分かる。
300人。
数字だけを見ると、ただの人数に見える。
でも、その一人ひとりに、それぞれの人生がある。
その300人が同じ場所にいて、必要なときには誰かとつながれる。
そう考えると、これはけっこう凄いことなのではないかと思う。
精神科医が一生かけて出会う患者数と、すきゾ!にいる人数が近い。
その事実を、少し不思議な気持ちで眺めている。
そしてこれから、ピアサポートというものが、もっと世界に広がっていけばいいと思う。
病気を治す人だけではなく、病気と一緒に生きてきた人の言葉にも、もっと価値が認められる世界。
それはきっと、精神疾患を持つ人にとってだけではなく、人間そのものにとって、少し優しい世界なのだと思う。




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