
僕の2035年までの目標は、「すきゾ!」の運営を誰かに引き継いで、僕は管理人を引退することだ。
言葉にすると、なんだか定年退職みたいで格好いい。
でも、現実を考えると、これがなかなか難しい。
2015年に始めた「すきゾ!」は、2026年になって3人の副管理人制を整え、ようやく役割分担ができるようになった。それまでは、ある意味で仕事と変わらないくらいの時間とメンタルを使ってきた。
ただし、時給に換算すると10円以下。
しかも、毎年いくらか自腹を切っている。
仕事よりブラックな、ハードなボランティアである。
それでも続けてこられたのは、僕がお坊さんだったことも大きいと思う。比較的自由になる時間があり、苦しんでいる人を見ると放っておけないという、ちょっと面倒くさい性格もあった。
そして、お金の面では独身だったことが大きかった。
独身の頃は、「まあ、これくらいなら自分のお金でいいか」と、かなり気軽に手出しをしていた。ところが結婚すると、そうはいかない。
お金というものは、自分だけのものではなくなる。
愛と結婚について語るとき、普通はもっとロマンチックな話をするものだけど、僕の場合は「すきゾ!のために勝手に使えなくなった」という、妙に現実的なところから結婚生活の変化を実感した。
今は主に募金に頼りながら運営している。
以前、家族会の方から、
「hoshuさんは生涯、すきゾ!の管理人を頑張ってくださいね」
と言われたことがある。
そのときは笑って聞いていたけれど、最近になって、もしかすると本当にそうなるのではないかと思うことがある。
2035年になっても僕が管理人をやっていて、「あれ、引退するんじゃなかったっけ?」と自分にツッコミを入れている未来。
十分あり得る。
しかも最近では、「すきゾ!」は参加している当事者だけのものではなくなってきた。研究機関から見ても、企業から見ても、なくなってしまうと困る存在になりつつある。
そう考えると、僕1人の趣味として始めたものが、いつの間にか僕1人の都合では終わらせられないものになっている。
これは、ちょっと怖い。
でも、同時に嬉しい。
10年以上前の僕は、こんな未来をまったく想像していなかった。
ただ、統合失調症になった人たちが孤立しない場所があればいいと思って始めただけだった。
それが今では、続けることそのものが社会貢献になるところまで来た。
だから、2035年に本当に引退できるかどうかは分からない。
引退という目標を掲げながら、結局ずっと管理人をやっている可能性もある。
でも、できれば僕がいなくても続いていく「すきゾ!」にしたい。
僕がいないと回らないグループではなく、僕がいなくても誰かが「ここは残さないと」と思ってくれるグループ。
それが、たぶん僕にとっての本当の引退なのだと思う。
それまでは、自分にできることをやる。
そして、もう少しだけ大きな影響力を持つ場所に育てていく。
2035年の僕が、ちゃんと「お疲れさまでした」と言えるように。
今の僕はまだ、かなり働いている。




コメント