
ミュンヘン工科大学精神科に所属する研究者から協力の依頼を受けた。日独合わせて240名のアンケートの回答を目標としているそうだ。
日本で精神科医として働き、現在はドイツのミュンヘンで、Leucht教授の研究室で統合失調症の治療法に関する研究をしています。
「統合失調症の薬について、どのくらい効くなら『飲む価値がある』と患者さんが感じるか」をテーマとしたアンケート研究を進めています。当事者の方の意見をぜひ聞きたいと思っています。
といいますのも、統合失調症の薬の有効性は証明されている一方で、副作用もありますし、残念ながら効果が100%でないのも事実で、薬はやめたほうがいいという声が一部であるのも事実です。
やめるべきという意見はもちろん極論で、少なくない当事者の方は飲む価値があると感じているのではないかと思う一方で、でも、飲みたくないという方がいるのも事実だと感じています。本研究では、当事者の方がどう感じているかを明らかにして、当事者の意見のグラデーションを知りたいと思っています。
メールを拝読し、「薬がどの程度効くなら、それを“飲む価値がある”と感じられるのか」という問いが、当事者の実感に寄り添おうとする研究であると感じた。
統合失調症の治療について語られる際には、「薬は必要だ」という言葉もあれば、「できれば薬から離れたい」という言葉もある。
けれど実際には、そのどちらか一方だけに割り切れるものではなく、人それぞれの時間や身体感覚、これまで生きてきた経験の中に、もっと曖昧で複雑な思いが沈んでいるように思う。
そのため、「賛成か反対か」という単純な二項対立ではなく、そのあいだに存在する感覚の濃淡へ目を向けようとされている点に、個人的にも強く心を惹かれた。
「すきゾ!」は、当事者同士が、孤立しきらない距離を探しながら続いてきた場所だ。研究協力についても、参加を強く促すというよりは、「このような研究があり、可能な方は協力して下さい」という形で、無理のないかたちで共有できればと思っている。
ただ、こうした当事者コミュニティでのアンケート協力は、実際には想像以上に回答が集まりにくいことも多く、これまでの経験では、「すきゾ!」グループから100名集まれば御の字ではないか、という感覚を持っている。だからこそ、240名という人数を目標として掲げられていることに、研究としての真摯さと熱意を感じた。
また、当事者コミュニティというものは、急速に広がることよりも、長く続いていくことのほうが難しく、そして大切なのだと思っている。
今回の研究が、当事者の声を単なる数字として集めるだけではなく、これからの精神医療や対話のあり方の中に、静かに残り続けるものになればと願っている。
研究の概要
対象者
以下の条件を満たす方
① 現在、統合失調症か統合失調感情障害と診断されている当事者
※ 疑いの場合・診断名が変更された場合は不可
② 18歳以上
③ 半年間以上入院していない
④ 半年間以上処方(抗精神病薬)が変わっていない
※ 対象となる抗精神病薬(統合失調症の薬)のリストは、以下です。不明の場合は管理人 hoshuに確認下さい。
第二世代抗精神病薬(非定型抗精神病薬)
現在よく使われている薬
| 一般名 | 主な商品名 |
|---|---|
| リスペリドン | リスパダール |
| パリペリドン | インヴェガ |
| オランザピン | ジプレキサ |
| クエチアピン | セロクエル |
| アリピプラゾール | エビリファイ |
| ブレクスピプラゾール | レキサルティ |
| ルラシドン | ラツーダ |
| ペロスピロン | ルーラン |
| ブロナンセリン | ロナセン |
| クロザピン | クロザリル |
| アセナピン | シクレスト |
第一世代抗精神病薬(定型抗精神病薬)
古くから使われている薬。
| 一般名 | 主な商品名 |
|---|---|
| ハロペリドール | セレネース |
| クロルプロマジン | コントミン、ウインタミン |
| レボメプロマジン | レボトミン、ヒルナミン |
| スルピリド | ドグマチール |
| ブロムペリドール | インプロメン |
| ピモジド | オーラップ |
| ペルフェナジン | ピーゼットシー |
| フルフェナジン | フルメジン |
| ゾテピン | ロドピン |
持効性注射剤
月1回〜数か月に1回の注射タイプです。
| 一般名 | 主な商品名 |
|---|---|
| リスペリドンLAI | リスパダールコンスタ |
| パリペリドン | ゼプリオン |
| アリピプラゾールLAI | エビリファイ持続性水懸筋注 |
| オランザピンLAI | ジプレキサ筋注 |
| ハロペリドールデカン酸 | ハロマンス |




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